台風などの自然災害の後にリフォーム業者が訪問してきて「雨どいや屋根が壊れていないか “無料” でチェックします、火災保険を使って無料で修理をすることができます」と勧誘されトラブルに繋がるケースが増えています。
カラクリを理解しておかないと業者とトラブルになるだけではなく、知らないうちに保険を請求した皆さまが保険金詐欺をしてしまうことになりかねません。そうならないためにカラクリと対応策をお伝えいたします。
「火災保険で自己負担無しで修理できます」こんな勧誘には要注意
先日の台風21号、24号は各地に大きな被害をもたらしました。あのような大きな台風が通過した後や大雪が降った後には業者が突然訪問してきて(あるいはチラシをまいて)「雨どいの無料調査を行っています、火災保険が適用された場合無料で修理・交換ができます。保険を使えば自己負担はありませんよ」と勧めてくることがあります。「自己負担がないならお願いしようかしら」とその場で安易に契約しがちですが、ちょっと待ってください。その勧誘には落とし穴がある場合があります。
お客さまが知らないうちに詐欺を働く?
例えば、雨どいの修理に業者は30~50万円の見積もりをお客さまに出して修理を始めます。お客さまはその見積もりを保険会社に提出して保険金を請求します。保険会社はよほど見積もりが高くない限り「高い」とは言いません。実際の相場より高い「販売希望価格」程度であれば保険会社は支払います。
しかし、皆さまは雨どいの修理の相場ってご存知ですか?お客さまは屋根に上らないわけですから屋根や雨どいのことは分からない方が多いと思いますが、状況にもよりますが足場を組まない場合10万円代~くらいでできるのですよ。
もし、保険会社が請求額の50万円を高いと判断して「販売希望価格」程度の保険金しか支払われなかった場合、実際の費用との差額はお客さま負担になる場合があります。
また、お客さまが業者に言われたまま実際とは違う事故報告を保険会社にして高額な保険金を受け取った場合には知らないうちに「詐欺」を働くことになってしまいます。つまり、請求したのはあくまでお客さまであって、業者ではないので、お客さまが保険会社から高額な請求を騙し取ろうとしたことになるのです。
さらに、実際の損害の保険金とは別に臨時費用保険金が支払われます。これを目当てにコンサルタント料を請求する猛者もいますので、くれぐれもご注意ください。
トラブルを防ぐために、必ず数社から見積もりを取りましょう
上記のような業者は言葉巧みに話をしたり、強引に契約をさせたりすることがあります。火災保険を使う使わないにかかわらず、家を修理する際は面倒でも必ず数社から見積もりを取ってトラブルを回避してください。他社からも見積もりを取っている旨を伝えて、緊急でない限り、検討する時間に余裕を持って修理業者を選びましょう。特に契約や振込を急がせたりする業者は要注意です。
もし契約してしまったという場合でも、訪問販売で修理を契約した場合でも8日間のクーリングオフが使えます。
ご両親がお住いの実家は大丈夫ですか
特にお子様と離れて暮しているご高齢の方がお住いの家はこのような業者に狙われやすいのも事実です。普段から連絡を取るなどの対策も有効です。
もし、実際に業者から勧誘を受けていたり、不安を感じた時には契約している保険代理店、消費者センター等に相談をしてみてください。
まとめ
- 火災保険で家の修理を勧めてくる業者には注意したほうがいい。
- 必ず数社から見積もりを取って対応する。
- 不安を感じたら契約している保険代理店や消費者センターに連絡する。
日本リスクコンサルタントは法人さまの保険だけではなく個人のお客さまの保険などを取り扱っており、様々なリスクに対して豊富な経験でアドバイスを差し上げています。お気軽にご相談ください。